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郁子のひとり言をブログにしました。


by kawaikuko

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食育について考える

今回は「食育」についてお話したいと思います。今、子どもたちの「食」の環境が、問われています。健康や栄養のことだけでなく、心を育て、社会を学ぶためにも「食育」の必要性がますます増していると言えます。
「食育」の目指すところは「食べることが大好き」になることだと思っています。色々な食べ物を、おいしいと思って食べられることは、人生を豊にします。しかし、家庭においては、日々食事のしかたや、好き嫌いについて悩んでいる保護者の方も多いのではないでしょうか。
最近は一品ずつ食べていく「ばっかり食べ」をする子どもが増えています。ごはんを食べたらおかず、というように、代わりばんこに食べることを「口中調味」(三角食べ)と言います。おかずの味をごはんで調節しながら食べることにより、濃い味に慣れないようにできるうえに、脳を使うことにもなります。これは日本特有の食べ方だと言われています。
そのため、保育園でも「口中調味」(三角食べ)で、ごはん、おかず、みそ汁というような食べ方を勧めています。
生まれたばかりの赤ちゃんは甘みを好み、苦味、酸味を嫌うことが明らかになっています。
自然界では、甘味は栄養となるもの、苦味は毒の入ったもの、酸味は腐食したものであることが多く、赤ちゃんのこのような好みは生きるため身についたものだと言えます。そして、年齢とともに、少しずつ味の好みの変化が見られてくるようです。
では、子どもの「好き嫌い」とどうかかわればよいのでしょうか。まず、大人は子どもが食べないからと言って食卓に並べないのではなく、嫌いな食べ物も家族と同じように食卓に並べ、子ども自身が食べたくなったら、いつでも食べられる機会をもてるようにすることが大切だと思います。
子どもは食べたことのない物、なじみのない食べ物に対して、恐怖心を持つようです。この恐怖心は生きていくためには重要なことなのですが、信頼できる大人が食べていることで、「この食べ物は大丈夫」と確認しているのです。
このように食べ物に対する恐怖心をなくし、安心感を持てる機会を与え、その食べ物に関心を持てるようにすることが大切です。
そして、一番大切なことは子ども自身が「食べることが楽しい」と思えるような雰囲気で食事をすることだと思います。
食卓を囲む人たちの会話がはずむことや、料理の手伝い、屋外での食事、さまざまな人間関係の中で食べること等、食事にまつわる楽しさを経験していくことも大切です。
保育園でも給食の時間は、どのクラスも楽しそうで、「ほら~ぴかぴかだよ」と食べ終わったお皿を見せてくれます。仲良しのお友だちと食べるということも、食が進むことのひとつなのかもしれません。
大きいクラスになると、お当番が給食の盛り付けもするのですが、自分のためだけではなく、みんなのために動くことは、作ってくれた人への感謝や、残さずに、きれいに食べようという気持ちにつながるものだと思います。
また、保育園では0歳児のこども達も、小さな手を合わせ、「いただきます」と「ごちそうさま」のあいさつをします。
「いただきます」は、「あなたの命を私の命のためにいただきます」という意味です。「ごちそうさま」は漢字で書くと「ご馳走様」と書きます。ごちそうを出そうと思ったら、あちこち駆け回って材料を集めなければならない。食材を集めてくれた人への感謝の気持ちを表した言葉だと言われます。
食べ物が自分達の口に入るまでは、たくさんの人たちの手がかかっていることを知り、食べ物に対して、いつも感謝の気持ちを忘れないでいたいと思います。
日常の食事はもちろんですが、その時その時期だけしか食べないものを、きちんと食卓に出し、体で「行事食」を身につけることも大切なことだと考えています。
おせち料理に始まり、年越しそばに終わる、一年の「行事食」を経験することで、次の世代に伝えることができるのです。
お正月明けに「おもちをいくつ食べた?」「食べてない」「おせち料理は何がおいしかった?」「食べてない」「お正月に何食べたの?」「コンビニのパンだよ」という話を聞いたことがあります。今は昔と違ってお正月でもお店が開いていますし、「おせち」や「お雑煮」がなくても、いっこうに気にならないと、いう面もあるかもしれません。しかし、次の世代に食の文化を伝えるということも大切なことです。保育園では、これからも「行事食」を取り入れたりしながら広い意味で「食育」に取り組んでいきたいと考えています。

2008.11.1 Ikuko.Kawamura
by kawaikuko | 2008-11-03 09:28